She Loves You


【レコーディング・セッション履歴】 【収録レコードリスト】
【レコーディング・セッション分析】
【リマスター・モノ】 【リマスター・ステレオ】
【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】

【レコーディング・セッション履歴】
63/07/01ジョージ・マーティンノーマン・スミス
ジェフ・エメリック
Recording テイク数不明
Geoff:ドラムスとベースには別々にコンプレッサーをかけて録音、ボーカルは後録り
63/07/01ジョージ・マーティンノーマン・スミス
ジェフ・エメリック
Recording テイク数不明
63/07/04ジョージ・マーティン不明
不明
編集 番号不明の複数テイクより
63/07/04ジョージ・マーティン不明
不明
Mono Mixing 番号不明の複数テイクの編集バージョンより
64/06/03リハーサル リンゴの代役ジミー・ニコルとのコンサート用リハーサル
64/08/23ヴォイル・ギルモア
ジョージ・マーティン
ヒュー・デイヴィスRecording 3トラックレコーディング
64/08/27ヴォイル・ギルモアヒュー・デイヴィスStereo Mixing ハリウッド・ボウルの録音のラフ・ステレオ・ミックス、イコライザー・リバーブ・リミッターを加える
66/11/08不在ジェフ・エメリック
不在
Stereo Mixing シングルのマスターテープよりリミックス1及び2、リミックス2がベスト
左チャンネルは高音をカットして低音をブースト、右チャンネルはその逆
"A COLLECTION OF BEATLES OLDIES"用
レノン('80 PBインタビュー):この曲が言ってるのはまさに……あれ、ちょっと待って。「フロム・ミー・トゥ・ユー」はこの曲の次の3枚日のシングルだっけ?それとも逆で「フロム・ミー・トゥ・ユー」は「プリーズ・プリーズ・ミー」の後だっけ?まあとにかく、この曲はふたりでいっしょに書いたんだ。アイディアはたしかポールだった。「アイ・ラブ・ユー」とまた歌うんじゃなく、ぼくらが第三者を設定して何か別のものにからめるという風にしようとポールが決めた。その時の細かいディテールが、明らかに彼の今の仕事にでている。ぼくはどっちかと言えば自分の事を書く傾向にあった。「WOO、WOO」っていうのはアイズレイ・プラザースの「ツイスト・アンド・シャウト」から取った。「YEAH、YEAH」がどこから来たのかぼくは知らない。エルビスが「オール・シュック・アップ」をやった時、「UH、HUH」や「YEAH、YEAH」がいっぺんに入ってるのをはじめて耳にしたんじゃないかな。

【収録レコードリスト】
RS1 “The Complete John Barrett's Cassette Dub” A02 (7CD:---)
RS2, version 2 “The Complete John Barrett's Cassette Dub” A03 (7CD:---)
released version “The Complete John Barrett's Cassette Dub” C02 (7CD:---)
63/4./? “DOCUMENTS VOL.1” A18d (CD:DR 027 CD) Around The Beatles
“FROM US TO YOU” B11 (CD:TSP-CD-015-2) SATURDAY CLUB 63/10/05
“PAST MASTERS VOL.5” A03 (CDR:EMRCD-003) OLDIES(UK)
SHORT EDIT VERSION “PAST MASTERS VOL.6” A02 (CDR:EMRCD-004) Movie "I WANT TO HOLD YOUR HAND "
“A HARD DAY'S NIGHT” A15 (DVD:COBY-90005)
63/7/4版モノ・ミックス “She Loves You” A01 (CDシングル:TODP-2124)
63/7/4版モノ・ミックス “She Loves You” A01 (ステレオ:EAR-20224)疑似ステレオ
63/7/4版モノ・ミックス “THE BEATLES' SECOND ALBUM” B5 (ステレオLP:ST-2080 / EAS-80563) 疑似ステレオ
63/7/4版モノ・ミックス “The Capitol Albums, Vol. 1 Disc2” A11 (CD:CDP 7243 8 66877 2 2) 疑似ステレオ
63/7/4版モノ・ミックス “The Capitol Albums, Vol. 1 Disc2” A22 (CD:CDP 7243 8 66877 2 2)
63/7/4版モノ・ミックス “THE BEATLES' MILLION SELLERS” A01 (CD EP:TOCP-7110)
63/7/4版モノ・ミックス “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” A01 (モノLP:PMC 7016)
63/7/4版モノ・ミックス “PAST MASTERS VOL.1” A04 (CD:CP32-5601)
63/7/4版モノ・ミックス “The Beatles/1962-1966” A04 (2CD:TOCP-8010,11)
63/7/4版モノ・ミックス “THE BEATLES 1” A03 (CD:TOCP-65600)
63/7/4版モノ・ミックス “MONO MASTERS” A04 (2CD(リマスター・モノ):5099969946325-424)
63/7/4版モノ・ミックス “PAST MASTERS” A04 (2CD(リマスター・ステレオ):50999 2 43807 2 0)
63/10/13 “MYTHOLOGY, VOL 1” C03 (3CD:STR-008〜010) Palladium
63/10/24 “STARS OF '63” A07 (CD:TSP-CD-005) Radio "POP '63" @ Stockholm
63/10/24 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.2 Disc1” A07 (CD:YDB-201) ストックホルム
63/11/4 “ANTHOLOGY 1” B01 (2CD:TOCP-8701,02) プリンス・オブ・ウェールズ
63/11/04 “MYTHOLOGY, VOL 1” C09 (3CD:STR-008〜010) Royal Command Performance
63/12/07 “MYTHOLOGY, VOL 1” B07 (3CD:STR-008〜010) Empire Theatre
64/02/09 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc2” A03 (CD:YDB-102) エド・サリバン・ショー
64/02/11 “BEATLES WASHINGTON '64 VANCOUVER '64” A09 (CD:WN 3001) Live @ Washington Coliseum
64/02/15 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc2” A06 (CD:YDB-102) エド・サリバン・ショー
64/02/16 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc2” A23 (CD:YDB-102) エド・サリバン・ショー
64/4/19 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc3” A08d (CD:YDB-103) アラウンド・ザ・ビートルズ
64/04/26 “AT THE BEEB 13” A15 (CD:PY CD 033) New Musical Express
64/04/26 “MYTHOLOGY, VOL 1” B29 (3CD:STR-008〜010) New Musical Express Concert
64/06/04 “BEATLES DENMARK & NEDERLAND JUNE 1964” A04 (CD:WN 3002) Live @ Kobenhavn Danmark(evening)
64/06/05 “BEATLES DENMARK & NEDERLAND JUNE 1964” A10 (CD:WN 3002) Live @ Hillegom Nederland(evening)
64/06/06 “BEATLES DENMARK & NEDERLAND JUNE 1964” A19 (CD:WN 3002) Live @ Veilinghal Nederland(evening)
64/08/22 “BEATLES WASHINGTON '64 VANCOUVER '64” A14 (CD:WN 3001) Live @ Vancouver Empire Stadium
64/08/23 “AT THE HOLLYWOOD BOWL” A05 (CD:???) Hollywood Bowl
リミックス・ステレオ2 “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” A01 (ステレオLP:EAS-80557)
リミックス・ステレオ2 “The Beatles/1962-1966” A04 (2LP:EAP-9032B)
RS2 “The Complete John Barrett's Cassette Dub” C01 (7CD:---) by Geoff Emerick on 11/8/66
RS1 “MYTHOLOGY, VOL 2” D19 (4CD:STR-011〜014)
RS 2 version 2 “MYTHOLOGY, VOL 2” D20 (4CD:STR-011〜014)

【レコーディング・セッション分析】
 リミックス・モノ自体がテープ編集されているが、レコードでは音色変化よりもテンポの変化が目立っていた。 ところが、CD化では余程強力なノイズリダクションやイコライジングをしたらしく、 部分的な補正をする必要が生じたようだ。
 “オリジナル音源”と銘打っていたCD EP『ザ・ビートルズ・ミリオン・セラーズ』でさえ1'23"〜1'31"だけは触らずには居れなかったらしい。

【リマスター・モノ】
相違箇所内容
1'02"4拍目裏(「ooh」)に編集跡。

【分析】
 リマスター・モノ・バージョンの編集跡は、元々のテープ編集箇所が経年劣化によるズレが生じているための補正ではないだろうか。

【リマスター・ステレオ】
相違箇所内容
全体的バスドラムが大きめになっている(ベースは同音量)。

【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】
 私にとってのダークホース‘She Loves You’です。この曲は2chのレコーディ ング・テープが処分されていることが、マーク・ルイソンによって明らかにされてい ます。更には、その“2chのレコーディング・テープ”で作成されたのはモノ・ マスターだけであり、ステレオ・バージョンはモノ・マスターを基に作成された疑似 ステレオであることもわかっています。つまり、これ以上調べる余地は無い、はずで した。
# この理由だけでも、CDにステレオ・バージョンが収録されない理由が
# わかりますよね。

ところがスワンさんより依頼されたオリジナル・レコード調査で思わぬ結果がでてしまいました。
# スワンさんにはこの場を借りて、感謝いたします。
# 調査のキッカケ&資料提供をありがとうございました。

膨大な音源(提供分が全13曲、私のが11曲)のため全部は調査しきれていませんが、 レポートする内容としては十分な量を調べたと思います(他の曲の調査はここまで していませんから)。残りは今後の作業の合間を見て、ということにしたいと思います。

調査過程を述べているとわかりにくくなりますので、まず結果を列挙します。
  1. オリジナル音源(と思われるもの)
    イギリス盤オリジナル・シングル
    イギリス盤オリジナル・EP
    イギリス盤オリジナル・OLDIES(mono LP)
    日本盤オリジナル・OLDIES(stereo LP)
    日本盤オリジナル・1962-1966(stereo LP)
    日本盤 1962-1966(stereo LP、私の所有品)
    日本盤 OLDIES(stereo LP、私の所有品)
  2. 第1次加工品(と思われるもの)
    日本盤シングルCD(私の所有品)
    日本盤PAST MASTERS(私の所有品)
    アメリカ盤PAST MASTERS
  3. 第2次加工品(と思われるもの)
    日本盤EP(CD)(私の所有品)
    日本盤 1962-1966(CD)(私の所有品)
    イギリス盤 OLDIES(mono LP、最近購入したもの)
  4. 第3次加工品(!)
    “1”
 要は、70年代までの古いレコードはいずれも同じ音源なのですが、 CD化を境にバージョンが増えているようなのです。特に、モノラル・レコードが 欲しいと思って昨年購入したイギリス盤も最近のマスターだったようで、これは ちょっとショックでした。同時期にイギリス盤の“1962-1966”も購入したんです けど、これってきっとCDバージョンと同じなんでしょうね。古いレコードの スクラッチ・ノイズが多くなってきたので買い足したのですが、 調べる気も失せてしまいました。

 各グループの説明を加えておきますと、まず“第1次加工品”と呼んでいるものは CD化の第1世代です。“アメリカ盤PAST MASTERS”は調査の過程でカセットテープ 経由となっているため厳密には言えませんが、私の所有品同士の比較ではデジタル データとしても全く同じものです。この当時は、CD化によって世界各国で乱立して いたバージョンの統一を図る、とかなんとか言われてたはずです。なので、シングル とPAST MASTERSが同一なのも、それなりに納得していました。
 で、具体的な加工内容は、以下のようなテープ編集となっています。
1'02":“woo”の小節の区切り位置(1拍目)
1'15":ギターリフの途中(2拍目)
1'23":“Pride can 〜”の直前のスネア(4拍目)
1'31":“and you know 〜”の直前(4拍目)
編集個所が偶数という場合、部分的な編集による差し替えと考えられます。 この場合で言えば、1'02"〜1'15"、1'23"〜1'31"の2個所が修正されたと いうことです。最初の修正は何をやったのか私にも分かりませんが、 後ろの修正は間違いなくハイハットの音色補正でしょう。 極端に変化するので既に気付かれていた方も多いと思います。

 ところが“第2次加工品”が登場します。同じ音では売れないと思ったのか どうかわかりませんけど、EPは“オリジナル音源”と銘打って新たに作り直した ようです。オリジナルというからには編集しないで欲しかったところですが、 1'23"〜1'31"だけは触らずには居れなかったのでしょう。

 モノ・マスター自体がテープ編集されて作られていますが、レコードでは 音色変化は気にならなかったんですよね。それよりもテンポが変化する方が 気になっていたのですが、CD化では余程強力なノイズリダクションや イコライジングをしたのでしょう。ここまで粗が目立つとは!

 前回の‘She Loves You’で“イギリス盤 OLDIES(mono LP、最近購入したもの)” て言うのを挙げてたんですが、どうやら大間違いでした。そもそも、私が購入した mono LPはFor SaleとWith The BeatlesでOLDIESじゃなかったです。なので「最近 購入したレコード」に関する記述は一切削除して、改めて調べ直しです。

“1”の‘She Loves You’ですが、
0'12":ギターリフの途中(2拍目)でテープ編集
0'37":ギターリフの途中(2拍目)でテープ編集
1'23":“Pride can 〜”の直前のスネア(4拍目)でテープ編集
1'31":“and you know 〜”の直前(4拍目)でテープ編集
となっています。テープ編集と書いていますが、実際のところ、どんな作業かは わかりません。単に繋ぎ目があるという意味です。これらの中でも1'23"が特に 御粗末である点については前回述べた通りです。これだけ分断した作業が必要と いうことは、オリジナルテープ自体がここで音色が変化している、つまり別テイク なのでは?、と思われます。

リリース・バージョン(STEREO:モノミックスより、MONO:テイク番号不明の編集バージョンより)

マスターテープ構成

第?テイク
Track1 ドラムス、ベース、ジョンのギター、ジョージのギター
Track2 ポールとジョンのボーカル、ジョージのコーラス

比較結果

 CD(TOCP-8010〜11)の左チャンネルの音が右チャンネルに対して1/44100秒だけ遅れている点、また、モノ EPのCD版(TOCP-7110)だけが左右全く一緒で正真正銘のモノラルになっている点は、更にCD(CP32-5601)と CDシングル(TODP-2124)は前後の空白を除けば1ビットの違いもなく同一データである点が、‘Love Me Do'と同じである。

  The Capitol Albums, Vol. 1 Disc 2 11 She Loves You [Stereo].wavはモノOR疑似ステレオ
MONO(TODP-2131) STEREO(CP32-5601)*



Wave Synchronizer設定

モノ VS ステレオ 収録盤 無効データ数(相違点:少)
基準にする曲 The Capitol Albums, Vol. 1 Disc 2 Track 22 0
同期させる曲 The Capitol Albums, Vol. 1 Disc 2 Track 11 0